
こんにちは。
私は、地方で活動されているお店や観光施設の「多言語発信」をお手伝いしています。
観光客が戻ってきた今、「外国人向けの情報発信」に関するご相談をいただく機会がぐっと増えました。
でも実際にお話を伺ってみると、
「うちは日本語しか出してないけど、まあ来ないよ」
「英語対応とか、ちょっと無理だよね」
という声も少なくありません。
私もその気持ちはよく分かります。
だからこそ、今日は「まずは、できるところからでいい」という視点で、多言語化発信のメリットや始め方をお伝えします。
外国人観光客に“見つけてもらえない”もったいなさ
今、訪日外国人観光客は増加傾向にあり、特に「都市ではないエリア」に興味を持つ人が増えています。
温泉、自然、伝統文化、地元の食べ物——どれも日本の地方にしかない貴重な体験です。
でも、そんな魅力ある場所が、外国語で何も発信していなかったらどうでしょう?
彼らは事前にGoogleマップやSNSで検索して、行き先を決めます。
もし、そこに英語や中国語での情報がなければ——選択肢にすら入らないこともあるのです。
つまり、多言語発信は“あったほうがいい”ではなく、
**「知られるために必要な入り口」**になっているということです。
多言語化は広告ではなく、“やさしい接客”の一部
多言語対応というと、「観光客向けに売り込む」イメージを持たれるかもしれません。
でも私はむしろ、「丁寧な接客」の延長線上だと思っています。
たとえば、英語で営業時間が書かれている。
中国語でアクセス案内が載っている。
それだけで「ここは自分たちのことも考えてくれている」と、安心して選んでもらえるのです。
さらに、こうした情報は一度作っておけば、
何度でも、何年でも働いてくれます。
多言語の発信は、いわば“静かに、ずっと働き続けてくれるスタッフ”のような存在です。
「英語ができなくても大丈夫だった」と言ってくれた宿の話

実際にあった事例をご紹介します。
長野県にある小さな温泉旅館の女将さんから、「外国人予約がゼロなんです」という相談をいただきました。
話を聞くと、Googleマップの説明文は日本語だけ、ホームページにも翻訳なし。
そこでまず、Googleビジネスプロフィールに英語と繁体字の説明文を追加し、主要な写真に英語のキャプションを付けることから始めました。
その結果、わずか数週間でGoogleマップ経由のアクセス数が増え、外国人のお客様の予約が入り始めたのです。
しかも、お客様がSNSに投稿してくれたことで、さらに拡散されました。
「英語なんて話せないから無理だと思ってたけど、ちゃんと届くんですね」
と、女将さんは笑顔で話してくれました。
最初の一歩は、Googleマップの「説明文」から
「じゃあ自分のお店では、何から始めればいいの?」
と聞かれることも多いのですが、私がおすすめするのは、まずGoogleマップのプロフィール(ビジネス情報)の多言語化です。
✅ 店舗紹介文
✅ 営業時間・定休日
✅ 写真のキャプション
これらを**英語と中国語(繁体字)**にするだけでも、
マップ検索での露出が増えたり、安心して訪問される確率がぐっと上がります。
翻訳には、無料のAI翻訳(ChatGPTやDeepL)を活用できますし、必要に応じて自然な文章に整えるお手伝いもできます。
“英語ができないからできない”という時代では、もうありません。
続けられる仕組みづくりもお任せください
多言語化を始めても、継続しなければ意味がない——。
そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、実は多言語発信は自動化・テンプレート化することで、
「毎月1回、3分でできる」くらいにまで手間を減らすことができます。
たとえば:
- WordPress投稿を翻訳してInstagramへ多言語投稿
- Googleマップへの外国語投稿をスケジュール登録
- 新しい口コミに対して英語での返信テンプレートを用意しておく
こうした仕組みも、無理なくサポートさせていただいています。
まとめ|伝えれば、ちゃんと届く時代です
多言語化発信は、決して“外国人向けビジネスだけの特別な施策”ではありません。
それは、「地域の価値を世界に伝える」ための、とてもシンプルで、やさしい第一歩です。
情報があることで安心し、選んでくれて、来てくれる。
その積み重ねが、地域全体の活性化にもつながります。
「難しそう」「うちにはまだ早い」と思っている方こそ、
小さな一歩から、始めてみていただけたらと思います。